【風刺相続】三味線の音色で斬る、「争族」の裏表

幸齢者

〜都都逸で笑い飛ばす、我が家の「お家騒動」〜

「うちは仲が良いから大丈夫」
そう仰る方に限って、相続が始まった途端に、昨日までの笑顔が嘘のような「鬼の形相」に変わる。そんな光景を、私は嫌というほど見てまいりました。

お堅い法律用語は抜きにしましょう。今日は都都逸のリズムに乗せて、相続という名の「人間劇場」を覗いてみませんか。


一、仏の前での「指算盤」

まずは、ある名家のご葬儀での一幕。涙ながらに焼香に立つ長男、それを支える妹。一見、麗しき兄妹愛ですが、私の耳にはこんな都都逸が聞こえてきます。

「泣いて見せるも 仏の前で 胸の算盤(そろばん) 桁を打つ」

これ、実は実話なんです。
焼香の煙が目にしみると言いながら、長男の頭の中は「実家の土地、今なら坪いくらか」。妹さんは「お父様の隠し口座、どこかにないかしら」。
悲しみの涙で濡れたハンカチの裏で、電卓を叩く音が聞こえてきそうなあのご親族の目。あれこそが、相続の真実というものでしょう。


二、「親の愛」という名の爆弾

「子供たちには苦労をかけたくない」と、せっせと節約して財産を残した、ある真面目なご隠居の話です。

「親が残した 財産よりも 残す苦労の 種をまく」

ご隠居が亡くなった後、残されたのは「等分に分けられない一枚の土地」と、生前に長男だけにこっそり渡していた「内緒の援助」。
これが露見した時の修羅場といったら!
「お兄ちゃんだけズルい」「私は介護をした」……。
残したかったのは「安心」だったはずが、実際に残したのは、一生埋まらない兄妹の「溝」でした。良かれと思って残した財産が、実は不仲の種。これ以上の皮肉はありません。


三、終活という名の「最後のおめかし」

「死んだあとのことは、勝手にやれ」と粋がっていた頑固親父。しかし、いざ病床に伏すと、残された家族の苦労を想像してか、重い腰を上げました。

「あとの争い 見たくはないと 今から仕舞う 身のまわり」

身の回りの整理とは、単なるゴミ捨てではありません。「誰に何を、なぜ渡すのか」を言葉にしておくこと。
「屋根は長男、現金は長女」なんて、算盤だけでは解決できない心の手仕舞い。
それをやっておくのが、本当の「粋な引き際」というものでしょう。


凌雲さんの独り言

「うちは財産なんてないから」と笑うあなた。
実は一番危ないのは、そこなんです。
現金なら一円単位で分けられますが、お父様が愛したあの一軒家、真っ二つに割るわけにはいきません。屋根だけもらっても、雨を凌ぐのが精一杯ですからね。

「譲り受けるは 土地でも金でも なくして尊い 名字(な)の誇り」

……なんて、綺麗事で終わらせないのが私のビジネス。

誇りも大事ですが、まずは「誰がどの印鑑を押すか」、そこから話し合っておくのが一番の親孝行かもしれません。

さて、あなたの家の「算盤」は、どんな音を立てておりますか?

相続という「分配」が終わった瞬間、それまで「家族」という一つの傘の下にいた人々が、驚くほどあっさりとバラバラになり、二度と会わない他人以上に遠い存在になってしまう。

同じ親の血を引いているからこそ、譲れない。似ているからこそ、相手の計算が見えてしまう。そんな**「血のつながりの皮肉」**を、三味線の音色でさらりと流してしまいたいのです。

アドバイザーとしての私は、書類の数字を合わせることはできますが、切れてしまった「縁」をつなぎ直す魔法は持っておりません。だからこそ、

「算盤(そろばん)弾いて 縁まで弾き あとに残るは 風の音」

なんてのはどうでしょう?今の私にぴったりの気分かもしれません。


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