病気になったらどうしよう。 もし働けなくなったら? 万が一、自分に何かあったら家族は?
生活や家族のことを考え始めると、不安は尽きません。 医療保険、がん保険、死亡保険、就業不能保険。 勧められるままに足していけば、手厚い保障とともに確かに安心感は手に入ります。
ですが、その安心のために毎月いくら払っているでしょうか。
不安を基準にすると、備えに終わりはありません。 今回は、家計と資産形成の土台となる保険の考え方について整理してみます。
感情ではなく、耐えられない損失で考える
保険を考えるとき、 何が不安か ではなく、 何が起きたら家計が耐えられないか を基準にします。
例えば、急に10万円の出費が発生した場合。 痛い出費ではありますが、貯蓄でカバーでき、生活が壊れないなら保険で備える必要性は低いです。
一方で、一家の大黒柱に万が一のことがあり、将来にわたって何千万円もの生活費や教育費が不足する場合。 これは貯蓄だけでは背負いきれません。
小さな損失は貯蓄で受け止め、起きたら自分では立て直せない巨大なリスクにのみ保険を使う。 これが保険の本来の使い方です。
民間保険の前に、すでにある保障を知る
私たちは何もない状態からすべてを民間の保険で備える必要はありません。 以前にも書きましたが、日本には手厚い公的社会保障があります。
・医療費の自己負担を一定額に抑える高額療養費制度
・万が一のときに遺族を支える遺族年金
・病気やケガで働けない期間を支える傷病手当金
さらに、会社の福利厚生や退職金、住宅ローンを組んでいる方なら団体信用生命保険もあります。
これらを差し引いた上で、それでも不足する金額を計算する。 いくらあれば安心かではなく、具体的にいくら足りないかを割り出すことがスタート地点です。
お金の役割を3つに分ける
お金の迷いをなくすために、次の3つの役割を混ぜないことが大切です。
保険で貯蓄や運用も兼ねようとすると、手数料が見えにくくなり、本来の目的が曖昧になります。 まずは、このお金に何をさせたいのかを切り分けて考えます。
資産が増えれば、必要な保険は減っていく
保険は一度入ったら終わりではありません。 家族構成や資産状況によって、必要な保障額は年々変化します。
- 子どもが独立した。
- 住宅ローンが減った。
- 貯蓄や投資資産が増えた。
自分自身の資産が増えること自体が、リスクへの備えになります。
背負える損失が増えた分、保険の保障額は減らしていくのが自然です。
見直しのための5つのステップ
もし保険を見直すなら、商品選びから入らず、次の順番で確認してみてください。
月5,000円の保険料も、10年で60万円、20年で120万円になります。
なぜその保険に入っているのかを自分の言葉で説明できる状態を作ることが、家計の健全化への第一歩です。
おわりに
保険を解約してすべて投資に回そうという極端な話ではありません。 本当に必要な保障は、しっかり確保しておくべきです。
大切なのは、漠然とした不安にお金を払い続けるのではなく、自分に必要なリスクの大きさを知ること。
新年度や生活環境が変わるタイミングで、ご自身の加入状況や会社の保障制度を一度棚卸ししてみてはいかがでしょうか。
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